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製品情報

Calman導入事例【TOHOスタジオ株式会社 様】

 





 
 
TOHOスタジオ株式会社(代表 島田 充/東京都世田谷区成城)は、撮影スタジオとしては日本一の約78,000m2(約24,000坪)の広大な敷地内に、同時録音対応の10の撮影用ステージ、2つのポストプロダクションセンター、スタッフルーム・キャストルーム・会議室・作品倉庫・カフェテリアなどの付帯施設を備え、映画・テレビドラマ・CM、アニメーション等あらゆる映像の制作現場として、準備から撮影、仕上げまで一貫した作業環境をワンストップで提供している
 
1932年創立の写真化学研究所(PHOTO CHEMICAL LABORATORY=PCL)を前身に、以来、数々の「七人の侍」をはじめとする黒澤明監督作品のほとんど、「ゴジラ」シリーズ、といった日本映画を代表する名作から、「踊る大捜査線」シリーズ、「ALWAYS三丁目の夕日」シリーズ、といった大ヒット作、話題作を生み出している。
 
2023年11月、日本の映像業界の発展に重要な役割を果たしてきた株式会社東京現像所が、68年間の歴史に幕を閉じ、「映像DI事業」と「映像編集事業」がTOHOスタジオ株式会社へと事業継承され、12月1日より運営を開始。東宝スタジオは映画、テレビ、アニメ、配信など、多様なジャンルの作品における音と映像の一気通貫を実現するに至った。



Ⓒ1954, 2007 TOHO CO., LTD.
TM&Ⓒ TOHO CO., LTD. Ⓒ2007 TOHO CO., LTD.
 


▶移設後のモニター環境をCalman Studioで再キャリブレーション
 
2023年12月より新たに事業を開始した東宝スタジオ ポストプロダクションセンター HIGH-RESOLUTION BASEには、2K/4Kスクリーン対応のDIルームとモニターグレーディング対応のDIルーム及び4K/HDRに対応したオンライン編集室が用意されている。


(山下氏)「建屋自体はもともとありましたが、内装などすべて一新して、完全に新しく開設されました。1階には『TOHOアーカイブ㈱』という、私たちと同じく東京現像所から来たフィルム部門のメンバーがいる会社が入っています。私たちは、この場所へ1年かけてすべての機材を移設してきました。」


■ポストプロセンター 映像部 DI課
 山下 純氏
 カラーグレーダー/主に新作映画におけるグレーディングを担当
 


新設スタジオでは、これまでに使用していた機材を移設し、作業環境をできるだけそのまま再現したという。モニター環境の整備には、東京現像所でも使用していたポートレイトディスプレイズ社ソフトウェア「Calman Studio」を引き続き採用し、マスターモニターや民生機など、移設したすべてのモニターのキャリブレーションが行われた。
 

(馬渕氏)「機材を物理的に移動しているので、まず最初に行ったのがモニターキャリブレーションでした。東京現像所時代にCalmanでキャリブレーションを行った際のレポートが残っているので、過去のデータと新しいデータを比べることが出来て、すごく楽でした。更に新しいスタジオでブラッシュアップしたという感じですね。」
 
(山下氏)「各部屋に業務用マスターモニター、民生用のプレビューモニターが1台ずつあります。更に機械室(マシンルーム)などバックヤードにあるものも全てCalmanでキャリブレーションしたのですが、モニター環境は本当に簡単に整えることができました。」



■ポストプロセンター 映像部 DI課
 馬渕 愛氏
 カラーグレーダー/古い映画のリマスターや劇場用のカラコレ等、主にアーカイブ作品を担当
 
 
▶Calmanによりモニター環境を統一

 (山下氏)「これまで東京現像所における3年に渡ってCalman Studioを使ってきましたが、モニター・キャリブレーションにより色の基準が得られ、統一感を持つことができました。
 
採用しているソニー・ブラビアもCalmanのAutoCAL【自動キャリブレーション】に対応している為で、ソニー製のマスターモニターと同じ色基準でキャリブレーションできるので作業効率と品質にとても満足しています。
我々ポストプロダクション部門以外でも、今後導入する民生機はCalmanのAutoCALに対応した機種にして貰えると良いと考えています。

 


 

▶モニターに映し出される色への追求~高まるキャリブレーションの需要
 
(山本氏)「アニメの作業環境はパソコン上でデジタル彩色をされている方々がたくさんいて、最後に撮影という形で仕上げたものがデジタルデータとして当スタジオに持ち込まれますが、直前に必ずラッシュ確認という形でモニタリングをされています。」
 
多くのアニメ制作スタッフが関わり、各々の環境で色を塗っているために、ワークフロー上、ラッシュ確認が欠かせない。近年、そのラッシュ確認用のモニタリングルームで、モニターキャリブレーションの需要が増えているという。


■ポストプロセンター 映像部 映像編集課
 山本 洋平氏
 テレビ、アニメシリーズ、および劇場版アニメの編集を主に担当。また、オンライン編集やテレビ放送及び配信向けのフィニッシング作業にも従事
 


(山本氏)「ここ1〜2年ですが、アニメ会社さんも色にシビアになってきていて、『今使っているモニターの色がおかしくないか?』とか、『ラッシュ用の部屋のモニターを調整してくれないか?』という問い合わせを多く頂くようになり、Calmanを持参して調整しました。実写では当たり前のように気にしていたことが、元々デジタルデータであるアニメにおいても、最終的にモニターに映し出される「色」への関心がそれだけ高まっているということだなと実感しています。」


 

映像部では既にモニターキャリブレーションが完了しており、今後は各部門間の協働を一層促進し、作業効率の向上を図るため、施設内の試写環境を含め、すべてのモニターに対するキャリブレーションを進め、更なる統一化を目指すという。
「色」を極めた環境で、より洗練された質の高い作品が生み出されることを期待せずにはいられない。東宝スタジオは今後も制作者には安心と信頼を、視聴者には最高の映像体験を提供し続けるだろう。


 
 
Calman採用の決め手は「操作の解り易さ」と「信頼性」

(山下氏)「Calman自体の操作感は非常に解り易いですね。メニューは英語だけど、ワークフロー画面に沿って進んでいくだけで、次に何をやればいいかが解り易い。
また、導入実績や導入事例もあり、民生用モニターのキャリブレーションにも対応しているということや、日本の代理店があって日本人からサポートが受けられるというのも導入の決め手でした。
設定を進めていくと専門用語とか色々な数値が出てきますが、導入後の不明な点をサポートして貰えるのはありがたいです。」

■ブロードキャストモニター・ワークフロー

▲Sonyマスターモニターは高品位なモニターデバイスであり、Calmanにより色温度のRGBゲインコントロールをマニュアルで行うことで完ぺきなキャリブレーション結果が得られる

■ソニー ブラビア AutoCALワークフロー

▲ソニー・ブラビアはCalman AutoCALによりD65、D93の色温度設定で輝度、グレースケール及びガマットを自動キャリブレーションが行える。マスターモニターとのカラーマッチングはカラリストにより知覚的にRGBゲインコントロールを行う。
 

■TOHOスタジオ株式会社 DIルームCalmanシステム構成:

採用された、CalMAN Studioは、測色計としてコニカミノルタ社のCA-410用プローブ【CA-P427】 、パターンソースジェネレータとしてBlackmagic DesignのDavinci Resolveを活用するシステムである。



■TOHOスタジオ株式会社 EDITルームCalmanシステム構成:

他のDIルーム、ビデオ編集スタジオでもモニターのキャリブレーションをし易くする為に、パターンソースジェネレータ「VideoForge Pro」も合わせて採用。


 

 
Calman製品情報
Calman  AutoCAL for ソニー ブラビア紹介ページ

 

取材&レポート:アイクローバー 佐々木
取材日:2024年2月